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悔やんでしまう事


先日、長女を保育園に送った帰りに牛乳と小麦粉を買うため、
ちょっと遠回りして一番近いスーパーマーケットに寄った。
そこはディスカウントの店で物が乱雑に置いてあり、
バギーを押して行くのが大変なのだが、
前から男性が来たのでよけようとしたらその人も同じ方向によけ、
反対側によけたらまたその人も同じようによけた。

すると男性が「中国人?」と聞いてきたので「日本人だ」
と答えると、「僕はグリーンランド人だよ」と言った。

男「僕たちは同じモンゴル人だから仲間さ」

私「でも、あなたグリーンランド人には見えないわね」

男「デンマーク人とのハーフだから」

私「ああ、そうなの」

とこの程度の会話をしたあと、財布を取り出してレジの列に並んでいると、
またこの男性が私に近づいてきた。

男「財布を落としてしまい、お金がないんだ。
  小銭をもらえないか?」

私はバカ正直に、つい手に持っていた財布を覗き、20クローネを
出して彼にあげようとした。
しかしその時、彼が右手に持っていたビールの6パックが目に入った。

(お酒を買うためにお金が欲しかったのか...!)

でももう手には20クローネを持っており、どうする事も出来なかったので
そのまま渡してしまった。
他にレジで並んでいた人たちはきっと
(この馬鹿な日本人め!アルコール中毒症の男に金を渡すなよ!)
と思ったに違いない。
私はその日一日、悔しくて悔しくて仕方が無かった。
もっと早く気づけば、現金持ってないからと断れたのに!
第一、お財布を落としたなんて絶対嘘に違いない〜!!

その話を仕事から帰ってきた彼にした。

私「あの時、ビールじゃなくて牛乳を買うんだったら
  お金をあげるよって言えば良かった!」

彼「でも彼が必要なのはアルコールであって、牛乳ではないだろう?
  だから君はいい事をしたんだ」

私「でもそれじゃぁアルコール中毒が治らないじゃないの」

彼「それは君の責任ではない」

彼は私を慰めるために言ったのではなく、本気でそう思っているらしい。
彼は私には理解できない試行回路を持っている。
そう、彼に同意を求めた私が間違いだったのだ。
その点についても後悔した。

話は変わって数日前の事。
何だか知らないが、彼は怒っていた。
どうしたのか訊ねると、デンマークの映画監督、Lars von Trierがカンヌ映画祭での
発言でバッシングを受けたからだと言う。

彼「自分の政党や主義を公共の場で言ってはいけないのか?!
  コミュニストだっていったら罰は受けないのか?
  スターリンはコミュニストだったろう!」

???
よく意味が分からなかったので、Youtubeでその会見の様子を見た。

Lars 「長い間自分はユダヤ人だと思っていた。ユダヤ人でありたいと思っていたが、
   その後自分の先祖がドイツ人なのでナチであることがわかった」
  
  「ヒトラーは完全な間違いを起こしたけれども、彼と言う人間を理解する事は出来る。
   良い男とは決して言えないが、彼の状況を理解できるし、少しだけ
   共感できる部分もある」

  「でも第2次世界大戦を起こそうなんて思わないし、ユダヤ人の敵でもない」

多分Larsは話している途中で訳がわからなくなり、その話を止めるために
最後に「オーケー、僕はナチだ」と言ってしまったのだと思うが、
ここまで大騒動になるとは思わなかったであろう。
デンマーク人の笑えないジョーク(というか、デンマーク人だってアホか!と
思っている人は多いと思う)を他の人たちには全く理解できないということが
わかっていない証拠である。
彼も「ドイツ人は皆ナチスであるわけが無い。これはジョークだってすぐわかるだろ!」
怒るのだが全く笑えないし、それにこんな「触れてはいけないテーマ」について
公共の場で口にするのは大間違いである。

いくつかの日本のサイトには
『長いこと自分がユダヤ人だと思っていたが、その後、ナチに傾倒した。
 ヒトラーの気持ちは理解できる』
と彼が言ったと書かれているが、正しく訳されていないと思う。
謝罪をしたけれどもカンヌ追放になってしまったLars、きっと今頃
後悔しているのではないかと思うと同情してしまう。

いや、もしかしたら「冗談のわからない奴らめ!もう2度と映画祭なんかに行くか!」
とか思ってるかもしれないが...。



# by tanukimum | 2011-05-23 06:04 | 気になること  

今日で丸9年


朝、時間に余裕を持って支度をしていたのに、
さぁ、そろそろ保育園に行くよ〜!と長女に声をかけると

「お腹すいた〜」

とだだをこねた。
さっきもうご飯いらないって言ったじゃないの!と言っても
お腹がすいたの一点張り。
仕方が無いのでパンにチーズをのせ、食べさせていたら時間が無くなり、
またしても走って保育園まで行くはめに。

その後、その足で次女を連れ、街に向かう。
友達との約束まで1時間あったので長靴、薬、それから布を購入してから、
待ち合わせ場所のコーヒーショップへ。
動き回りたくて仕方が無い次女を何とかなだめながら話をしていると、
既に時計は1時を過ぎている。

店を出て、家に向かいながらぶらぶら街を歩き、違う友達が働いている
レストランに顔を出したりしていたらもう2時。

慌てて家に帰るとテーブルの上に花束とチョコレートが置いてあった。
実は今日で、私がデンマークに住んで丸9年になったので
彼が気を利かせてプレゼントを用意してくれたらしい。
当の彼は24時間勤務を終え、ベッドで爆睡していた。

次女にご飯を食べさせ、おむつを替え、さらに思いついて
夕ご飯用にシチューを作ってから彼を起こす。

「早く起きないと遅れるよ!」

今日は保育園の「ワーキングデー」で、3時に保護者達が集まって
ペンキを塗ったり花を植えたりすることになっていたのだ。
彼は砂場の砂の入れ替え、私は雨合羽のズボンをミシンで縫う
仕事が与えられていた。
しかし、ミシンに向かうと次女が私にべったりしがみつき、
ほとんど仕事ができず。
結局家に持ち帰って宿題になってしまった。

6時にお開きになり、帰り支度をする。
彼がどうしても「ピザが食べたい」と言い、一人ピザ屋に行ってしまうと、
疲れた長女がだだをこね、「おんぶ〜!」と叫ぶ。
なので私は次女を抱っこ、長女をおんぶして休み休み家まで歩くはめに。

夕ご飯に慌ただしくピザとシチューを食べ、
食器を洗い、次女のおむつ替え。
それから洋服を着替え、子供達を彼に任せて急ぎ足で再び街へ。
チャリティーで演奏してくれた男の子がコンサートを開くので、
是非行くと約束していたからだ。
3曲ほど聴いてから会場を後にし、途中スーパーで牛乳を買って
家に戻ると次女が大泣きしている。
眠いのに母がいなくて眠れなかったらしい。

急いで次女を抱き上げ、授乳。
長女が「お母さんと一緒に寝たい〜」と言っているのが聞こえるのだが、
次女を相手にしていたら長女はそのまま寝てしまった。
次女も泣きつかれたのであろう、お腹がいっぱいになったら
そのまま私の腕の中でパタッと寝てしまった。

ふぅ...。
やっと一息つき、お花のお礼を言おうと彼のところに行くと、
既に爆睡していた。
2人でしみじみ語り合う事も無く、こんな感じで9年の記念日は終わった。

9年と言うと、人生の約4分の一。
この9年、いろいろあったようで、でも全く何にもしないで
過ぎてしまったような...。

これから先、自分で「これはやって有意義だったな」と思える事を
増やしていきたいものだ。


今日で丸9年_b0147762_5293967.jpg

長女が撮った「次女の写真」。

# by tanukimum | 2011-05-19 05:31  

イベントの結果


昨日、銀行へ行き約35万円をデンマーク赤十字を通し
日本へ送りました!

(日本食、くじ、バザー、Tシャツ販売の収益に
 デンマーク人女子のアクセサリー代と募金箱に入っていた
 お金の集計である。中には1000KR札(15500円ぐらい)
 も入っていたのだ!!感謝、感激!!)

これはいい数字なのか?
10億円寄付した人の話なんかを聞いちゃうと
こんなはしたお金...と思ってしまうが、
困っている人を助けたい!と言う気持ちは全く同じである。

ボランティアでバザーのヘルプに来てくれた夕暮さんの
こちらのサイトにてもっと素晴らしい画像が見れます。

この1ヶ月半、イベントの事ばかりで子供の事が半分適当になってしまったが、
それにも関わらず2人はどんどん成長していった。

特に次女は(当たり前だけど)、もう階段もはいはいで昇るし、
押し車を勝手に自分で押して歩くのだ。
そして今日ご飯の時に「はい、ぱくぱく〜」と言ったら、
「ぱくぱくぱくぱくぱくぱく」と言葉を返してきた。
おお〜!おうむ返しだ!と思いきや、今度は
「ぴー、ぴー、ぴー、ぴー」と言うので笑ってしまった。

次女はすごくお母さんっ子で、長女もこんなんだったっけ?と首を傾げるほど。
あと3ヶ月弱で保育園に行き始めるので、ちょっと不安。
というか、こんな小さい子を保育園に通わせるのは不自然な気がする。
でもデンマークではそれが普通なのだから仕方が無い。

とにかく良く食べるので、いちいち離乳食を作るのが億劫になり、
この3週間、市販の物を多く食べさせてしまった。
するとそっちの方が美味しいみたいで、他の物を少なめに食べ、
お腹に市販の物が入るスペースを確保しているような感じさえある
(そこまで知恵は廻らないとは思うけど)。
そして離乳食の瓶を見ると、金魚みたいに口をぱくぱくさせるのだ!
かわいいけど、このままではいかんなーと危機感を感じる。

長女はと言うと、保育園の友達と仲良くやっているようである。
でもあまのじゃくな部分があり、ご飯を食べさせたり、歯を磨いたりという
毎日行う事に非常に時間がかかる。
余裕がある時にはどんと構えて対処できるが、忙しい時にはそうはいかず、
ついつい叱りつけてしまったり...後からものすごく反省する。
そしてたまに「お母さんがいなくて寂しかった」と言われてしまうので、
イベントが終わった今、長女にもっと時間を割いてあげたいと思う。

イベントの結果_b0147762_628385.jpg

仲のいい二人。お風呂に入ると大はしゃぎ。
姉妹のいない母にはとても羨ましい。


# by tanukimum | 2011-05-13 06:29 | 気になること  

イベントも無事終了 みんなありがとう!!


今まで書き続けたイベントが昨日行われた。
計画を立てたのが1ヶ月前以上だったが、場所確保が遅れたため、
本格的に宣伝を始めたのが3週間弱前。
いったいどれだけ人が来るのか?
用意する食事は多すぎるのか?それとも少なすぎるのか?
全く予想もつかなかったが、とりあえず前日に100人分のカレーを作り、
牛丼用のタマネギと肉切りを終えて当日に備えた。
私は夜中にメロンパンを焼いたが、こういう時に限って
かなり不細工な出来になってしまい、悲しくなった。
でも食べたら美味しかったので、図々しくもそのまま出す事にした。

そして当日、イベント開始は11時。
でも場所を借りられたのが9時だったので、自分たちのパートナー
それからボランティアをかってでてくれた人たち総動員で
牛丼作り、テーブル設置、バザーの準備など、慌てて行った。
ご飯が間に合わない!コーヒーメーカーの使い方がよくわからない!
スピーカーが無い!など、11時まで全く余裕無し。
気づいたらもう既にお客さんが来ていて、みんなそれぞれの役目につく。
本当はスタッフ全員ロゴTシャツを着る予定だったのだが、
そんな暇は無かった。

メインは日本食販売。メニューは牛丼&カレー。
それに甘い物が大好きなデンマーク人のために数種類のケーキ、と飲み物。
あとはみんなから集めた物でバザー、和雑貨が当たるロト、
着物や折り紙、福笑いや紙相撲、そしてなんとキャラ弁まである文化コーナー。
それから私が作った地震や津波、原発事故についての展示。
さらに日本に行った事のあるデンマーク女子が作ったキーホルダーなどの
販売ブースも急遽決定。
午後2時から日本人の音楽留学をしている方のミニコンサートもありと
盛りだくさんの内容である。

私は総括する役目(というか、足りないところをヘルプする役目)だったので
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。
オープンしても全く人が来なかったらどうしようと悩んでいたのが
嘘みたいで、続々と人が入ってくる。
素人なのでちょっと段取りが悪いところもあったが、そういうことに寛容な
デンマーク、ご飯が炊けてないから10分待って、と言っても全然
お咎めなしなのがありがたかった。

来たお客さんはやはり家族連れが多かったが、結構若い人も来てくれた。
フェイスブックでの宣伝が効いたのか?
それとも新聞に出してもらったのが功をなしたのか?
やはりメディアの力はすごいと思った。
私も空手の先生や以前日本語を教えてあげていた人など、しばらく会っていなかった
人たちにたくさん会った。
それから保育園の先生や、お友達も来てくれて、感謝感激。
あとびっくりするほど日本人が多く、みんな友達を誘ってきてくれた。

用意したカレー、牛丼、ビールは完売。
最後には残った具無しカレーをご飯に混ぜておにぎりを作り、
それも全て売り切れ。
ジュースも5本だけ売れ残り、残ったケーキはみんなで分けた。
暑かったのでコーヒー、紅茶はあまりでなかったが、
用意した食事の量はほぼ完璧。
我ながら(というか我らながら)すごいと思う。

そして17時、イベント終了。
ボランティアで来てくれた女の子がお鍋などを洗ってくれたおかげで
スムーズに片付けが終わり、18時過ぎに解散。
お金の集計とデンマーク赤十字への寄付を水曜日にやってしまえば、
全て終了する。

最初は私の「義援金を稼ぐためにフリマにでも参加しようかな」
という考えから始まり、そこからみんなの協力を経てこんなに盛大なイベントになり、
それも大成功に終わった。
ウェブデザイナーの友達のかっこいいHPとロゴ、
イベントコーディネーターをしていたことがあるという友達の段取りの素晴らしさ、
買い出しやケーキ作りに頑張ってくれた仲間、
当日夜勤があるのにヘルプに来てくれた友達、
お嬢さん達と手伝いに来てくれたボランティアの皆さん、
バザーに提供してくれた人たち。
それから仲間の彼氏、旦那さん、お子さんの協力。
あと皆に広めてくれた人、当日に足を運んでくれた人。
みんなみんな、どうもありがとう!!!


追伸
画像はこちらの地域の話題を載せるウェブサイトで見れます。



# by tanukimum | 2011-05-10 04:55 | 気になること  

チャリティーに向けて あと6日


私達が企画しているチャリティーイベントが今週末と近づいてきた。
場所確保に時間がかかったおかげで、実際に宣伝を始めたのがイースター後。
この時期パーティーや友達と食事したりする機会が多いデンマークで、
3週間前に宣伝を始めたのは遅すぎかもしれない。

アナログ人間な私はとにかくチラシをいろんなところに貼らせてもらう
ことしか考えつかなかったのだが、企画者の他のメンバーは
ネットやメディアを駆使した宣伝に力を入れた。
フェイスブックにグループを作り、そのイベントとして提示。
招待状を一気に送り、友達経由でその友達にどんどん広まった。
それからフェイスブックで知らない人とも知り合いになり、
チャットをしながらイベントについて話したり。
そのおかげで音楽留学をしている人が演奏を申し出てくれた!
すごいすごい!!ありがとう〜。
後は街のイベントを取り扱うサイトにコンタクトを取ったりも。
3人よれば文殊の知恵とはよく言ったもので(と言っても私は全く役に立っていないが)、
一人で出来る事は限られていても、複数が集まると何乗にもやれることが
大きくなると実感。

その他にも、チラシのデザインをしてくれた人、場所の予約をしてくれた人、
全く知らない人なのにイベントの話をしたら後から電話をしてきて
どうなったの?と心配してくれた公民館のおじさんなど、
みんなの協力してくれるその気持ちがとてもありがたい。
ブログでしか知らない方もお手伝いできてくれる事になり、とても心強い。

とにかく私はいい展示を作ろうと心に決め、毎晩2時ぐらいまで
案を練ったり情報を探したり、何度も書き直したり。
伝えたい事はたくさんあるのに、私のデンマーク語力では全く表現できず、
どうしても彼に訳をお願いしたりすることになったのだが、
もともと募金活動に興味が無い彼はいちいち私を批判した。

「被災者の悲惨な生活といっても、ハイチの人に比べれば何でも無い」
「日本経済に打撃と言っても、まだまだ日本は裕福である」
「工場で35万台の車が生産不能、環境にはとてもいいこと」

などなど...。
終いには打ち合わせにきていた友達に、

「何でデンマークの一般庶民が裕福な日本に募金をしなくちゃいけないのか?
 よっぽど貧しい国に送る方が有意義である」

などと絡み、私はほとほと愛想を尽かして

「何もしないで批判ばかりする人は黙ってなさい!」

と言い、友人の前で喧嘩。
他の友達の旦那さんたちは本当に親身になって手伝ってくれているのに、
この差は何?と悲しくなった。

確かに日本はそうは言っても裕福かもしれない。
でも辛い目に遭っている人を慰めたくても遠くにいてできず、
唯一できることが募金活動であるわけで、それを批難されるのは
どうしても腑に落ちない。
彼は彼なりに私を(子供の世話だとか)手伝っていると言うが、
全く精神的なサポートをしてはおらず、
話し合っても平行線。
彼が貧しい国に募金をしているならまだ理解できるけれど、
そういうわけでは全くない。
今回のことで「ああ、この人はこういう人なんだな」
「苦労をしていないから他の人の辛さがわからないんだな」と思った。
非常に残念だ。
友達は「よく一緒に暮らせるね」とまで言っていた...。

新聞9社にプレスリリースを送ってみたが、反応があったのは1社のみ。
これはうちの裏庭でインタビューを受ける私。
当たり障りの無い質問と「写真を撮るのに着物を着てもらえないか?」
という意見にちょっとがっかりしたが、とにかくこれが宣伝になって
少しでも人が来てくれたらいいな。
チャリティーに向けて あと6日_b0147762_649645.jpg


# by tanukimum | 2011-05-03 06:49 | 気になること